

紅型は図案から仕上げまで
全て一つの工房で行われます。
ここで紹介する工程は
紅型の基本となるものです。
紅型には
「朧型」
「てぃーちき」
「筒描き」
「両面染」
など多くの表現方法が存在します。
各工房によってもその技術は様々で、
それぞれの技術があるからこそ、
琉球びんがたは現代でも
色鮮やかで個性豊かな作品が
生み出されていると考えています。





①型彫り
図案を作り、型紙を彫ります。
型紙を彫る小刀をシーグ、
下敷きはルクジューと言って
島豆腐を乾燥させて固めた
手作りの道具を使って
彫り進めていきます。
②型置き
生地に型を乗せていきます。
糊は繊細で、
少しの力の違いで線が太ったり
潰れたりしてしまいます。
何百何千という仕事を
繰り返し繰り返し、
自分の技術を掴みます。
③配色
型置きのあと、
呉引きという工程を経て
色差しに移ります。
色は顔料や呉汁など、
沖縄の色を表現するための
材料や沖縄の強い日差しに
負けないための昔から
継がれてきた方法で
作られています。
ひといろ一色、
手作業でいれていきます。
④隈取
琉球びんがたの
特徴の一つである陰影を
つける工程です。
配色を終えた色の上から
ぼかしながら色付けをします。
この工程により
立体感のある鮮やかな
色彩が生まれていきます。
⑤蒸し&水元
配色を終えたら
蒸し機で熱を与え、
色を定着させます。
更にに生地に乗っている糊を
残さないよう綺麗に
洗い落とし、
白地に仕上げます。
⑥糊伏せ
洗い終えた生地を張り出し、
筒と糊を使い、
柄の上に防染作業を行います。
地色を最後にかけるため、
染料を乗せたくない柄
全てに施していきます。
⑦地染め
背景の地染めです。
柄配色には顔料ですが、
地染めは染料を使います。
防染した箇所は染料が
差し込まず、
白場の部分に地色を
引いていきます。
⑧蒸し&水元
再び蒸しと水元です。
約1時間蒸します。
それから糊伏せの糊や
余分な染料を洗い落とします。
⑨乾燥・完成
洗った生地を張り出して
乾燥させ、
湯のしをかけたら完成です。